※ネタバレ注意！
大学の図書館に入荷されたものの、人気のため予約をして待っていたのですが、ようやく手元にやってきました。
タイトルからは、どんな内容の本なのかがわかりませんでした。
この物語のテーマは、「脳死」と「臓器提供」。
ボクの日常からすると、全くといっていいほど関係のない内容ですが、それはそれは非常に深くて考えさせられました。
脳死の定義、臓器提供の流れ、それを巡る国際情勢……。
いかに自分が知らないかを痛感しました。
また、おそらく脳死であろう娘の両親、特に母親の心情や行動には、非常に驚かされました。
必死に産んだ我が子が意識を戻さずとも、自宅介護を望み、散歩に連れて行き、着替えやおしゃれもさせる。
子供のいないボクには理解しづらい場面などもありましたが、やっぱり母親ってすごいな、と素直に感じました。
さらに、そんな娘を抱えた一家を取り巻く人たちにも、様々な感情や考えがあり、難しいものだと思いました。
よそから見ると、眠ったままの娘におしゃれをさせる母親のことを理解できないかもしれません。
ましてや、機械の力で腕や表情筋を動かすなんて、普通の人からすると確かに不気味な光景だと思います。
そういったところを、どうわかり合い、どう接していくのかというのは、きっと簡単にはわからないのです。
こういうことは、現実で起きてほしくない。
ただ、いつ自分の周りで起きないとも限らない。
そんなことが起ころうが起こるまいが、一度ちゃんと考えてみた方がいいと思いました。
評価： ★★★★★★★★★☆
全体的に重い話ですが、とても興味深くて、いろいろと感情が生まれる内容でした。
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