※ネタバレ注意!
昨日、東野圭吾さんの「時生」を読み終えました。
この作品は、「読者1万人が選んだ東野圭吾作品人気ランキング」の第9位(76作品中)でした。
つまり、人気があるということです。
ボクも期待して読み始めました。
ある日、主人公・拓実が謎の青年・トキオと出会うことで、物語が進んでいきます。
序盤~中盤にかけては、拓実の性格にイライラさせられました。
苛立つとすぐ暴力に走ろうとする拓実ですが、迷惑な話です。(笑)
しかし、終盤になると、拓実はだんだんと改心(?)していきます。
突然いなくなった彼女を探すために、後先考えずに行動する彼は、無茶ではあるがカッコよかった。
そしてクライマックス。
拓実とともに行動してきたトキオの秘密が、次第に解けていきます。
特に、時生の最期の行動には鳥肌が立ちました。
「人気の秘密は、こういうところにあるんだろうな」と思いました。
で、ボクが最も唸ったのは、ラスト1行。
ここで最後の謎が明かされるのですが、なんとその後、物語はスタートに戻るのです!
この終わり方はスゴイ……。
とまあ、後半で追い上げを見せた「時生」。
しかし、1つだけ納得のいかないところが。
それが、「死者の数」です。
日本坂トンネルの火災事故。
事故の翌日、拓実が読んだ夕刊の記事には、「死者六人」とあります。
事故から10日目、拓実の読んだ新聞に、「事故による死者が増えたという記事はなかった」。
なのに、事故から20年以上経過した世界では、死者は「七人」となっていました。
この矛盾についていろいろと考えてみたのですが、やっぱり分からない。
仮に、「事故から11日目以降に死者が増えた」とするなら、とりあえず納得はできるのですが、それなら、「事故による死者が増えたという記事はなかった」の件は必要ないのではないか、と思います。
というわけで、最後の最後に1つだけ謎が残りました。
まあ、「お前が細かすぎるだけだ」と言われれば、それまでですが。(笑)
さて、評価です。
評価: ★★★★★★★★☆☆
最後の矛盾があるとはいえ、やっぱり「第9位」の称号にふさわしい作品だったと思います。
次は、「あの頃ぼくらはアホでした」を読んでみます。
読んだ本リスト
01 放課後 (2012/5/10 - 2012/5/31)
48 時生 (2012/6/1 - 2012/6/21)
73 あの頃の誰か (2012/4/10 - 2012/4/24)